五感・感覚のこと 知覚する感覚するを生かすこと

病気や症状と施術のこと

みなさんほとんどの方がお持ちになっている、「五感・感覚」についてです。

病気や怪我、先天的なことなどで一部感覚がない方も含め、
身体に不調のある方にもそうでない方にも、
どんな方にもお勧めです。

いち人間としても、日常生活やお仕事をするにしても、運動をするにしても、治療としても、身体のもつ、切り離すことのできない最も基本にある機能の一つとして、あなたの役に立つ内容だと思っています。

辞書によりますと、
五感は、人の感覚の総称。
主要なものの総称。視・聴・嗅 (きゅう) ・味・触の五つの感覚。
これらの感覚によって外界の状態を認識する。
とのことです。

人は、生き物全てそうだと思いますが、
根本的には、五感によって、
危ない、危なくない、どっちでもない、
を判断して、生きています。

基本的に、身体は、痛いことは嫌がりますし、
腐ってしまった物や毒は食べたくありませんし、
嫌な匂いは息を止めてしまいます。

どう行動したら、どういう刺激があって、それがどう身体に影響するのか、
ということを知ることができるのは、五感・感覚があるおかげなのです。

身体を動かすということで言うと、
ただ手足や身体を曲げ伸ばしする動きではなく、
目的を持った動作:歩いたり、走ったり、飛んだり、踊ったり、、、、
そういった、空間の中を動き回れるということも、
実は、五感があるからこそできることなのです。

自分がこの世界のどこにいるのか、を五感で捉えているのですね。

では想像してみましょう。

物に触れている感覚がわからなかったら、
動かしている手足がどこにあるのかがわからなかったら、
目隠しと耳栓をして歩いたら、、、、

身体は動かせるかもしれませんが、
歩いたり、何かをつかむなど、
目的を持った動きをするのはとても難しいですよね。

普段、あたりまえ過ぎて、意識することがありませんが、
五感ってすごいことをしてるんです。

身体は、
感じるところと、
処理するところ、
動かすところ、
に分けられると思います。

感覚したものを、処理して司令を出して、必要に応じて身体を動かす、
動かしたら感覚して処理して、、、、、
お互いに信号を出し合って連絡し、
働きを調節しあっていくことが、
生きている間ずっと続いていきます。

身体は、目線を広げて見ると、

刺激→何かしらの応答を表現する、

という、非常に単純なことしかしていません。

感覚、処理、動き、どれが先に起こってもいいのですが、
処理も動きも、身体の内で起こる働きで、
感覚は、
身体の内からの刺激だけでなく、
外からの刺激も受け取っている、
ということが他と違うところです。

だいぶ大雑把な言い方ですが、
外からの刺激で、身体の働きを調節できるのは、五感・感覚 である、
ともいえます。

ですので、

感覚を変化させると、身体も変化してくれるのです。

感覚に対して適度な心地よい刺激をして、
その感じたことを自覚することで、
その刺激に応じて身体は適度な心地よい応えを表現します。

その身体が表現した結果を具体的には書けません。
身体の機能の全てが感覚によって調整されているわけではありませんが、
人それぞれ、身体がその時その時で、感覚を通して常に変化し、ちょうど良いところに調節されていくからです。

関節や筋肉を、動かしたり、揉んだり、ストレッチしたりすると緩むのは、
感覚があるからなんです。

また、変なものを食べたり、臭い匂いを嗅いだり、大きすぎる音を聞いたりした時に、
咄嗟に、吐き出したり、息を止めたり、耳を塞いでしゃがみ込んだり、
これらも元々備わっている防御反応ですが、
感覚があるからこそできることなんですね。

しかし、
感覚したこと → 身体の応答
は、必ずしもうまい具合に調整して表現されるわけではありません。

身体の応答の結果、
調整される途中の変化なら良いのですが、
そうではなく、
肩が凝ったり、身体が傾いたり、胃酸が出過ぎたり、下痢をしてしまったり、、、
など様々な不具合が残ってしまうことも時折あります。

ですので、時々、
身体全体の機能を良い方向へ向けていけるような刺激をすることで、
それを感覚しようとすることで、
身体の不具合も減ってくるか小さくなってくれる可能性があるんですね。

それでは、どうすれば感覚への適度な刺激ができて、身体を調整できるのでしょうか?

どなたでもできる改善の為の身体の基礎づくり、実践編です。

今すぐにでも簡単にできますので、是非トライしてみてください。

基本的には、
全身の力を抜いて、身体が何かに接触している部分の感覚を意識して感じること。
だけです。

あなたは今、立っていますか?座っていますか?寝転んでいますか?、、、どんな格好でも構いません。

① まずは力を抜きましょう。

(ほとんどの方は、身体のどこかが、床や地面や壁や物などに触れていると思いますが、)

② 触れている部分 ( 足、お尻、背中、頭、、、) を感じてください。

どんなふうに触れているのか、
触れているところはどんな感触がするのか、
どこがよく触れていて、どこがあまり触れていないのか、
感じられる範囲で、ただただ感じてください。

均等に触れるように調節せず、ありのままで身体に任せましょう。

③ どこがよく触れているか・いないか、を確認してください。

④ 次に、力が入っているところがあるかどうかを確認して、

⑤ 力が入っているところが自覚できれば、そこの力を抜いてください。

⑥ 改めて、接触面を感覚してください。

ポイント💡
* 力むと感覚しにくくなります。
* 感覚できると力を抜きやすいです。
* 力が抜けないのは、防御反応や身体を保つなど、身体の働きのせいもあるので、抜けきらなくても問題ありません。
* 感覚できる部分は自分の意思で動かせて調節できます。(身体で動かせるのは筋肉だけです。内臓以外の骨格筋は、感覚できない部分は自分の意思で動かせません。)

*まとめ
①力を抜く → ②接触面を感覚する → ③触れている・いない部分を確認にする
→ ④力が入っている部分を確認する → ⑤確認できたところの力を抜く
→ ⑥接触面を感覚する。
で、ひとくくり。
自分の感じで、おさまりが良くなるまで、
③→④→⑤→⑥を繰り返します。

どうですか?

はじめに感じてもらった時より、
接触面が広く感じる、接触面にべたっとつく、馴染む、
という感じが少しでも得られますでしょうか?

おそらく、最初よりも感覚できる部分が広がって、
そういう実感を得られ易くなっていると思います。
そのままボーッとして、1分ほど感覚を味わってみてください。
より感覚が深くなります。

自覚出来なかった方は、
・何度か繰返す
・時間を空けて再度する
・次の段階に進むなど、
しているうちに、なんとなく自覚し易くなると思います。

では、次の段階です。

より感覚を自覚しやすくするのと、日常生活へ持ち込む前段階です。

まずは、先程と同じ行程でしてみてください。

それを終えたら、

立っている場合、足踏みを10回くらいします。

座っている場合、お尻を5-6回くらい揺らします。

寝ている場合、寝返りを左右にするのを2-3回ずつします。

より馴染んできましたか?
これで良いのかなー、という感じがあるかもしれません。
でも心配ありません。
それで良いんです。
ただ感覚するだけなので、
実のところ、方法は一つのきっかけなだけで、
やり方が違っても、自分で感覚していることを知るのが目的なので心配せずにしてみてください。
でもしっくりしない時は遠慮なくご相談ください。

そして、これをして具合が悪くなることはほとんどありません。
もしつらくなる場合は、つらくならない一番楽な姿勢でしてみてください。

神経に問題があり感覚しにくい状況の方へ。
ここに書いたことは、西洋医学のリハビリテーションの分野で言われていることを参考に、
私の解釈を交えてお伝えしています。
そもそも、神経に問題がある方の機能を回復させる治療として考案されてきたものですので、
積極的にされることをお勧めします。

これらが自覚できると、まずは姿勢と動きが変化します。

感覚した後、普段の通り、
歩いたり、動いたり、痛みのでる作業をしてみてください。

余分な力が抜けて、少し滑らかに動けるようになっていると思います。
余分な力が負担になって出ていた痛みは、その場で軽減するかもしれません。

滑らかに動けると、負担がかかりにくくなります。
負担が身体の限度を超えると具合が悪くなりますので、
このように負担の少ない動きを続けていければ、回復する働きの方が勝り、
次第に楽になってくることもあります。

身体は今ある感覚でしか感覚できませんが、
感覚→身体の応答は、
どんな状況でも何とか機能しようとしますので、
どんな状況の方でも、良い方へ働いてくれると思います。

これで治るとは言えませんが、
治療や身体自体の基礎になると思っています。

私は、身体を整えたい時や痛み・異和感がある時、まずこれをします。
すぐましになることもあれば、何も変わらないこともありますし、
馴染んでしばらくすると、何だか整っていることもあります。

何回かすると身体の調整される雰囲気が何となくわかってくると思います。

感覚し、自分の感覚を知ることで、
身体の負担を減らし、身体の機能を引き出し、
病気や不具合、怪我などを回避または改善しやすくするための一歩として、
是非お試しになってください。

ここまでが感覚を自覚するということの基礎にあたります。

ここから、
「日常の場面で全身至る所を感覚する」
というところに広げていきましょう!

感覚する要領は前回と同じですが、

歩ける方は、
歩いているときに、力みを抜いて、
・足の裏の接地面の感覚
・自分の身体や各部位の動き具合や位置
を感じてみてください。

力みが抜けない場合、そこを触って感覚し、再度力を抜きますが、
抜けきれないところはそのままで大丈夫です。

接地面がどういう状況でどういう感触がするのか、
自分の手や足はどんなふうに動いているのか、
動かそうとしているように身体は動いているのか、
身体はどんなふうにバランスをとっているのか、
など、ただ、ただ身体を感覚して(身体がどう感じているかを確かめて)、歩くだけです。

歩けない方は、寝返りがおすすめです。
基礎と同様の動きではありますが、
接地面がどんな感触がするのか、
寝返りを打っていく時に手や足がどこにあって、
どんなふうに動かしているのか、また、動いていっているのか、
自分の動かしているのと感覚している動きは一致しているのかどうか、
など、感覚してみてください。

どちらの場合も、
距離や時間、回数は、何となく実感できるくらいの量が良いと思います。
一度にたくさんするより、
継続してできる方が良いので、
ある程度、嫌にならないくらいで調節してくださいね。

何となく感じられるようになったら、
日常の、どんな動きの中でも、
例えば、お箸を持つ、食べ物を食べる、お茶を飲む、本を読む、
音楽を聴く、会話する、掃除をする、、、
あらゆる場面で、意識して感覚する場面を作ってみてください。

加えておすすめしたいことがあります。

それは、自然を感じること。
好みもあると思いますが、
自然の中、例えば、思い浮かべてください、
山や海に行った時、全身で自然を感じていませんか?

景色、天気、空気、風、音、匂い、地面、、、そして自然の中を動く自分の身体。

心地よかったり、驚いたり、怖かったり、すっきりしたり、、、と感じたりしませんか?

自然の中に行くと、
自分に必要なもの、
不必要なもの、
脅威になるもの、
安全なもの、、、
身体が勝手にそれらを感覚しようとして、
身体の働きが調節されて、
生きようとする。

根本的にはそういうことだと思っています。
身体が調節されなかったら生きていけませんもんね。
なので、基本的に、何かしらの刺激を感覚すると、
それは身体を守ろうとする反応を起こします。

過剰な刺激に対する強い防御反応は、
しばしば、良くない反応になることもありますが、
過剰でない、身体にとって適切な刺激に対する反応は、
その環境に身体を適応させようと、
身体の機能が円滑に働くようにしてくれます。

ですので、
治療を受ける前、
受けている途中、
受けた後、
いつでも無理なくできて役に立つのが、
「感覚する」ということなんです。

でも、
なかなかそんな自然を感じるって難しいんじゃ、、、
と思われた方、、、
大丈夫です。

外に行ける方は、
お近くの公園や川や山や空が見える道などを歩いてみてください。

外に行けない方は、
部屋の窓を開けて、外の景色を眺め、新鮮な空気をいれ、
外から入ってくる音を聞きながら、寝返りや日常のことをしてみてください。
充分、自然を感じることはできます。

でも、山や海など自然に囲まれた所に行く機会があれば、
この「感覚する」をめいいっぱい実感してきてください。
すぐに効果として現れるかどうかは個人差があると思いますが、
これは、きっとあなたの助けになってくれることと思います。
私の実感としては、身体の状態がなんとなく良くなる、
だけでなく、気持ちも落ち着いたり整いやすくなったりする印象もあります。

治療、病気や怪我の予防や回避など、
自分の身体をより良い状態にするために、
人間として「生きる」という機能を充分に発揮できるように、
日常的に「感覚」していきましょう!!

全ては自分の身体が大本にあります。
「病気が、怪我が、わるさをしてるんだ」
「お医者さんが、手術が、薬が、なんとかしてくれる」
のは二番目以降で、まずは、
「自分の身体が、自分が、なんとかしていく」のが一番目にあります。

治療の根本を思う機会となれば、ということも、この投稿の目的の一つでした。

そして、感覚は、具合が悪いところから良くする為に働いてくれるだけでなく、
日常や仕事の動作をより円滑にする、スポーツをする、といった、
身体の機能を現状から高めようとすることにも重要な働きをします。

日常以上の発展版として、
私の好きなクライミングのことを、
技術的なことではなく、いち治療家目線でのお話をします。

グレードをあげたい!楽しく登りたい!全身を使って運動したい!

いろいろ目的はあると思いますが、
より深いところで感覚でき、身体が動きやすくなることの助けになる内容と思っています。

では、具体的に参りましょう。

登る前に、前回までの要領で、
身体の余分な力を抜き、接地面や身体の位置、そのほか、全体の感覚を確認し、
身体を、力みが少なく、感覚できるし、動ける、ちょうど良い感じにします。

簡単な課題を選びます。

オブザベ時に、壁やホールドの見た目の感じと位置も確かめます。
(後で実際触った感じと擦り合わせて感覚の差を埋めます。)

身体をリラックスさせ、登りながら、
ホールドの質感(手足その他全て)、
自分の身体や手足の位置や向き、動き、
登っているところから見た景色、
壁やホールドの距離感、
身体が壁(空間)のどこにあってどんな方向を向いているのか、
身体のどこに力が入っているか、
どの程度の力が入っているか、
平衡感覚、
柔軟性、
など、そのほか、全身で感覚します。

頭で理解するのではなくて、身体で感じてください。

感覚できるところは力の入れ具合を調節できます。
できるだけ力みをへらして感覚しながら登りましょう。
・今までと比べ、そんなに力を入れなくても良かったのか、と思えるところがあったら、
その力みをなくしましょう。

・途中で落ちてもいいので、
動くのに必要最小限の力がどの程度かを確かめ、
かつ、
のびのび動いてみましょう。

・身体は、伸ばす動きよりも、縮める動きが優位で、力むと自然と縮もうとします。
関節を伸ばす・遠くへ手や足を伸ばすには、
感覚する・意識して動かす・縮む力を抜いてやる、
とうまくいきます。

・オブザベ時に、
目で見た感じや、登りの姿勢や動きをイメージした像と、
実際に、触ったり、動いた時の、
違い、感覚の差を自覚します。

登りながらするのが難しい場合は、登り終えてから思い返しても良いです。

登り終えたら、整理します。

感覚を自覚する時、無理にその差を埋めようとするのではなく、
感覚したことから、オブザベのイメージを修正し、改めてオブザベするとき、
実際の感覚したこと思い出しながらイメージに擦り合わせます。

同じ課題か、別の課題で、同様に感覚しながらトライします。
繰り返すことで感覚を養いやすくなります。

一見、いつも登っている時と行程は同じにようにも見えますが、
普通に登る時よりも、より感覚してもらう、ということが大切なことです。

前回までの「感覚のこと」に加えてしてもらうと、今までよりも深く感覚できるようになると思います。

感覚できると、
自分の身体をどのように使ったら動けるのか、
どこの力を抜いたらいいのか、
どこに力を入れたら良いのか、
が自然と感覚的にわかるようになってきて、

地に足がついて、
リラックスしているのに身体がしっかりしている、
自然と重心の位置や重心移動がうまくいく、
という状況が得られると思います。

例えば、調子が良い時の身体って、そういう感じがしていませんか?

おそらくそれと近い状況になると思います。

そうすると、効率の良い動きができてきて、
必要な技術も筋力も同時に鍛えることができると思います。

少し前の段落で述べました、自然を感じる、に関連しますが、

岩に行かれたことがある方は、
緊張感を感じ、
力みもある中で、
持てるところ、
踏めるところ、
身体のことをなんとか感覚して、
身体の力の入れ具合や動きを調節していると思います。

その調節をいかにできるか、が、身体の感覚から始まっています。
年齢と共に感覚しにくくなることもありますが、気にする必要はありません。

感覚は、自分で感覚できる範囲でしか感覚できません。
感覚できない範囲を感覚しようとするのではなく、
今感覚できることをきちんと感覚(自覚)しようとすることで、
感覚できる範囲が広がって深みを増していきます。

何歳であっても、感覚しようとすることで、
身体の働きが引き出され、
継続することで、より深みを増し、
大切なことを感じられるようになっていってくれます。

自分の壁にぶつかった時、
技術やコツのアドバイスをもらい打ち込んだりすることに加えて、

感覚を通して、身体の状態を知り、
自分の身体を信じて、身体に答えを出してもらう、

ということも、選択肢として、あり、かもしれませんよ。

好みのことではありますが、
身体を感覚することが、
クライミングをさらに楽しくする材料になれば幸いです。
たぶん、よりマニアックにはなっていくと思います。

良い身体づくりで、良い時間を過ごしていきましょう!